社会調査士をめざす学生の声!
みなさんの学習の参考にしてください

社会調査士の授業で社会をみる女子大生の目が変化!!

聞き手:昭和女子大学人間社会学部現代教養学科 准教授 シム チュン・キャット

昭和女子大学の現代教養学科では、「疑う力を持つ女子になる!」というスローガンで社会調査士資格の取得を学生に勧めてきました。毎年、定員約100人の中に30~40人の学生が最終的に資格を手にして卒業してく人気科目群の一つです。確かな疑う力を養うべく、特徴としては、学生が選択肢なしにA~G科目すべて履修することと、調査実習のG科目が通年科目となっていることです。
さて、卒業間近で在学中にほぼ学期ごとに社会調査士科目を履修してきた4年生の佐々木 萌さん、片岩 真耶さん、酒井 麻綾さん、荻沼 留菜さんと小野 美菜子さんに、佐々木さんが司会役の座談形式でいろいろ振り返って語ってもらいました。以下皆さんの感想の要約です。

Q.そもそも社会調査士を取ろうと思ったきっかけは?

 

ほかの資格と違って、取得の際に合否判定の出る公的試験がなかったため、受講に踏み切れたという意見が多数。もちろん、授業の一環として単位認定、資格取得かつ、疑う力を持つ女子になれるという一石三鳥な点に引かれた学生も

資格取得というと身構えてしまいますが、社会調査士に関してはもっと気楽に始めることができるのでお薦めです!実際、「社会調査士って何?」と興味半分で受講を始めた学生がほとんどです。とても曖昧な動機に思えますが、そのちょっとした好奇心で何かを始めてみることはとても大事なことです。

Q.受講前のイメージと実際受講してみてからのギャップはあった?

文系出身の学生が多い私たち現代教養学科としては、数学的思考力が求められるというギャップが非常に大きかったです。特に、高校時代の数学に苦手意識を持っていた人たちは最初ほとんど拒否反応が出ていました(笑)。

社会調査士の授業では、データ分析を行う際に、その数値がどのような計算を経て求められた数値なのかという本質から勉強します。なので、計算式の中には「Σ」のようなものまで出てきます。中には「Σ(シグマ)って何??」「習ったことない!」と悲鳴をあげる学生もいました(笑)。授業によっては、かなりがっつりと計算を行うことが多かったので、受講前にはイメージしていなかった作業に、苦戦する学生が多かったです。
ですが、安心してください。高校までの数学と違って、どうしてこの計算式を使うのか、それによって具体的に何を求めることができるのかという背景を同時に確認していくので、かなり理解は深まります。先生による優しい指導もあって、苦手意識を持っていた学生も最終的には数学の壁を乗り越えていました。

Q.履修して自分がどう変わった?

「疑う力」が身についたという意見が圧倒的でした!!私たちは様々な「結果」を日常でよく目にします。例えば、「髪色の地域別モテ度調査」という記事があったとします。この調査によると、地方の男性ほど茶髪の女性を好むという結果が得られていました。以前の私たちなら「へぇ~そうなんだ」と普通に受け入れたと思います。

しかし今なら、これはいつどこでどういった調査法を用いて誰を対象にしたアンケート結果なんだろう?全国の男性にまんべんなく調査したの?対象年齢は大学生?社会人?何人に聞いたんだろう?回答率は?と、次々に気になることが出てきます。結局、この調査結果は怪しいと疑い「ちょっと信じられないな」という結論になります。

このように、多くの情報があふれる現代社会において、情報の信ぴょう性判断能力は非常に重要だと思います。嘘の情報に振り回されないための判断能力を、大学授業の一環として身につけることができたのは本当にラッキーでした。

Q.就職の際や将来にどんな影響があると思う?

業界や職種にもよりますが、就活などに使えるというのももちろんあります!

ただ、就職などのすぐ近くの未来というより、卒業してからいずれ絶対に役に立つと思うという意見が非常に多かったです。社会調査士の資格は、この資格を持っているから何かの仕事に就けるという保証ではなく、「疑う力」、考え方、思考法の基礎学習認定証の役割だと私たちは思っています。

もちろん、仕事を始めてデータ整理やグラフ分析などにも大いに活かせると思います。それだけではなく、日常生活で広告商品を比較する際などにも役に立つのです!お客様満足度98%とうたう他社メーカーの同じ商品があった時に、「お客様満足度」の基準は何なのか、どのようなアンケートをもとに算出した数字なのかなど気にすることができれば、社会調査士の考え方が見事に活かされています!

見かけの数字やキャッチコピーに流されない、芯のある大人を目指せます(笑)。

Q.最後にこれだけは言っておきたい!

最後に余談として、社会調査士の認知度が低くて悔しいという意見が多くありました。ここまで述べてきたように、社会調査士の資格は、社会に出てからも応用できる考え方を磨くのですが、7科目すべて履修して力をつけるまでの過程がとても大変です。なのに、知らない人からすれば、「公的試験もないし簡単そう」とその価値が理解されにくいのも事実です。

ただ!あまり認知度が高くないからこそ社会調査士というワードで話を広げることができれば、就職活動の面接などでも差別化を図った強いアピールポイントになります!実際になりました!また、ほかの暗記資格とは違い、充実した実践経験を授業内で頑張って積むため、すぐには忘れないと思います。

ぜひ、社会調査士取得を検討している皆さん、思い切って踏み込んでみてください。そして、この公的試験のない資格が、後にどれほど大きく影響するのかを実感してみてください!物事の見方が変われば、きっと自分の大きな成長にもつながります。何より、社会調査士の認知度向上に貢献していただければと思います。頑張りましょう~!

  • 2019年2月7日UP