社会調査士(キャンディデイト)の資格を就職活動に活かしましょう
社会調査士の資格取得の過程で、3年生になったら「社会調査士(キャンディデイト)」を取得することができます。このキャンディデイトは、皆さんが就職活動に役立ててもらえるように、卒業時に社会調査士資格を取得予定であることを証明するものです。
社会調査士を取得した先輩たちは、就職活動の第一歩であるエントリーシートにキャンディデイトの資格を持っていることを書き、面接活動の質問へとつなげています。
エントリーシートは、
などを書くことが求められます。
いずれの点においても社会調査士資格取得の過程で学んだことを取り上げて書くことができます。
社会調査士の資格取得においてはG科目の社会調査実習が必修です。調査実習では多くの人が苦労しながらも真剣に取り組み、調査を成し遂げたことと思います。
社会調査実習のテーマをあげ、どこでどのくらいの期間調査したかを具体的に書きましょう。苦労した点はたくさんあったはずです。調査項目を考えること、仲間と重複したり、調査対象者からの反対に遭ったりして、調査項目を変更しなければいけなかったこと、調査対象者とコミュニケーションをとることが難しかったこと、またデータを集めた後も分析の糸口が見つけられなかったり、まとめ方がよくわからなかったり...という経験は多くの人がしているはずです。これらの困難を乗り越え、改善策を出して、仲間と力を合わせて、相談して調査実習をやり遂げたことと思います。
社会調査士の科目を履修する中での体験を用いれば、逆境を乗り越えて、成果を出す能力があることをアピールできるはずです。社会調査士キャンディデイトを取得し、以下のエントリーシートの例、学生の実際の体験談を参考にして、就職活動で自分の能力をアピールしてください。
私の長所は、見知らぬ人からも情報を引き出せるコミュニケーション能力です。それは大学の授業の実習の中で養われたと思います。
私は大学で社会調査士の資格の取得を目指し、その取得予定を証明する社会調査士(キャンディデイト)の資格を取得しています。その資格取得の過程で、社会調査の実習を行い、限界集落で生きる人々の実際の姿を調査しました。東京都の○○村に夏休みの1週間泊まり込みでインタビュー調査と参与観察をしました。事前に調査企画を立てましたが、最初は「村人はどのように協力して、生活しているのだろうか」というような漠然とした疑問しか浮かんできませんでした。調査対象地の郷土史をしらべ、山村について書かれた民俗学的研究を読んで、「村の共同水道を村人がどのように協力して維持しているかを調べることで、村人の緊密な近隣関係を明らかにする」というテーマをたてました。 また、○○村に入ってからも、初対面の、しかも年長のひとびととのコミュニケーションの難しさも痛感しました。相手がこちらの質問に簡単にしか答えてくれないことも多く、はじめは焦ったり、自分のコミュニケーション力のなさにショックを受けたりしたのですが、村の様子がわかってくると、夏の限られた時間に必要な農作業を終えなければ行けない村の人々にとって、私たちの質問や調査は時間をとる迷惑に他ならないことに気がつきました。すこし、村人の立場で考えることができるようになったのです。そこで私もすこしでも村の人たちの助けになればと、農作業のお手伝いを申し出たり、小さい子供の遊び相手をしたりしました。
人と出会うということ、人と言葉を交わすということによって、自分とは異なる世界の人たちの全然別な立場に気づき、その人たちに役に立つためにはどうすればよいかを考えることがコミュニケーションを成り立たせる大切な基盤であることが理解できたように思います。
このようなコミュニケーション力は、社会の中でもお客様とのコミュニケーションに活かすことができると思います。
私の持っている強みは、目的達成のために計画を立てる力(プランニング能力)と、さまざまな人たちの意見を調整する力(コーディネート能力)です。これらの強みは、社会調査士(キャンディデイト)の資格を取得した社会調査の授業で培われてきたものです。
私は同じ授業を履修する学生たちとグループをつくり、そのリーダーとして、社会調査の企画・設計・実施・分析を実習形式で学んできました。社会調査においては、調査目的を明確にし、どのようにその目的を達成するかを綿密に計画する必要があります。私たちは、担当の先生から何度もダメだしをされながら、授業時間外を活用して調査計画を練っていきました。調査対象はなぜこの授業を履修する学生なのか?この質問であれば、どのような結果が得られ、それはどう分析可能なのか?グループのメンバーの意見を踏まえながら調査の目的を修正しつつ、質問文を何度も推敲し、調査を実施しました。その過程で、グループメンバー間での認識のすり合わせの難しさや、事前準備や予測の重要性を痛感することになりました。調査を実施することのさまざまな困難さを知ることになったのですが、同時に、その困難さを乗り越えて調査を実施し、自分たちの仮説を検証できたことは自信になりました(ちなみに、私たちの調査の目的は「講義の最中に学生が寝てしまう要因を探ること」にありました)。
このような調査の企画から実施・分析までを実践してきた経験を、現在、ゼミ内のグループで取り組んでいる卒業論文のための調査でも活用しておりますが、企業理念として「協働」と「イノベーション」を掲げる御社でも活かすことができると考えております。
私は3年生の時に社会調査士キャンディデイトを取得し、就職活動を行いました。就職活動中に社会調査士キャンディデイトの資格が役に立ったな、と思った経験はいくつかあります。私は不動産・医療・人材業界を中心に受けていたのですが、医療業界の面接でこの資格について聞かれることが多かったです。ある面接では、「社会調査士ってどんな資格なの?」という面接官の質問に対して、私は資格の説明と社会調査や統計の勉強について説明しました。その企業の企画部は、医者や研究者と共同で企画をするところだったので、データを扱うことは多くあります。私はいずれ企画部に入りたいと話していたので、統計的にデータを扱えることをアピールしました。すると面接官の反応も良く、「企画部はお金の流れも理解する必要があるから、データに強いのはいいね」と言ってもらえました。ほかの企業の面接でも、「文系だけど数字に強い」というアピールポイントになりました。
資格や統計の勉強のために履修した「社会調査法実習」の経験も、就職活動のアピールポイントになりました。グループワークで協力して報告書を完成させること、仮説を立てそれを実証することで論理的に考えること等です。この経験をESや面接で話したこともあります。
このように、社会調査士の資格を取得する過程でのさまざまな経験を就職活動でアピールし、希望する就職先に就職することができました。