活躍する社会調査士
現役社会人として活躍する先輩からのメッセージです

森田 更(専門社会調査士)
2009年3月、武蔵大学大学院 人文科学研究科社会学専攻修了
株式会社サーベイリサーチセンター勤務

※所属は『社会と調査』掲載時のものです。

ワクワク感が原点。クライアントとの共感を目指して

私は大学時代に社会学を学ぶ過程で社会調査と 出会いました。大学2年時の社会調査実習の際に、自分でテーマを考え、仮説を持って調査票を作成し、アンケートの依頼からデータ入力、集計 、報告書の 作成まで一つの調査の流れを経験する中で、「調べる」ということの面白さを知りました。

社会調査を学び始めた当時の私にとって、調査の面白さとは「見えなかったことが見えるようになること 」という 、非常にシンプルなことでした 。そうした気持ちから、漠然と将来は「調査」や「調べる」ということに関わる仕事に就きたいと意識し始めたことを今でも覚えています。以下では、専門社会調査士資格を取得する中で学んだことと、普段実務を行う中で考えていることについて書きたいと思います。

私は現在、調査会社に勤めて9年目になります。世論調査、交通系調査、マーケティングリサーチと3つの分野がある中で、マーケティングリサーチ部門で主に民間企業の顧客満足度調査を担当しています。マーケティングリサーチ業務の多くは、クライアントからの依頼があって初めて一つの調査プロジェクトとして立ち上がりますが、どんな調査テーマであれ、やはりプロジェクトが立ち上がる際には毎回ワクワクしてしまいます。それは、社会調査を学び始めたばかりの当初の想いに非常に近いものがあります。

リサーチャーとして「知りたい欲求」というものは必要不可欠であると思っていますが、クライアントの持つ調査テーマや明らかにしたいことに共感し、自らも知りたいという欲求(ワクワク感)を持って取り組むことが、より良い調査を行うためのベースとなっていると思います。

大学院時代に専門社会調査士資格の取得を目指す中では、調査を運営管理する能力、集計や分析などの技術の習得ということが必須になりますが、今、振り返って改めて取得して良かったと思うことの一つに、「調査結果の活用方法について考える」意識を持てたことがあります。多変量解析の講義の時に、K先生はほぼ毎回「あなたが調査を発注する立場だったら、得られたデータをどのように活用したい?」と私に問い続けていました。当時の私は自分の研究のために調査を行っていたのでピンときていなかったのですが、働き始めて、初めてK先生の問いの大切さに気付きました。クライアントがどのように結果を活用したいか?という発想の出発点は調査設計、実査、集計、報告書作成という一連の過程 だけではなく、調査結果がリサーチャーの手を離れたあとでも重要であると今は考えています。今後様々な調査にチャレンジすると思いますが、これからもクライアントの想いをしっかり理解しながら取り組んでいこうと思います。
(※『社会と調査』19号(2018年9月)より転載)

  • 2019年6月19日UP

機関誌 「社会と調査」に掲載された諸先輩一覧

   
社会と調査 タイトル 資格 卒業大学/
修了大学院など
掲載時の勤務先
22号 嗜好品という新たな分野を開拓する社会調査 専門社会調査士 大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程単位取得 公益財団法人たばこ総合研究センター
22号 システムサービスを通して社会に新しい価値を提供する 社会調査士 関西学院大学社会学部卒業 株式会社大和総研
21号 社会福祉士に
必要な社会調査能力
専門社会調査士 九州大学大学院人間環境学府
人間共生システム専攻共生社会学コース
別府大学文学部人間関係学科
21号 市民とのかかわりが
社会調査につながる
社会調査士 山口大学人文学部
人文社会学科
津山市役所高齢介護課
20号 感謝と視野を広く深く 専門社会調査士 関西大学大学院
総合情報学研究科社会情報学
独立行政法人統計センター
20号 電話調査のプロとして 社会調査士 千葉大学文学部 りらいあコミュニケーションズ
19号 ワクワク感が原点
クライアントとの共感を目指して
専門社会調査士 武蔵大学大学院
人文科学研究科社会学専攻
サーベイリサーチ センター
19号 企業活動における
調査の責任とやりがい
社会調査士 武蔵大学社会学部卒業
文学研究科
帝国データバンク
18号 回答者を意識した調査票作成の重要性 専門社会調査士 早稲田大学大学院文学研究科
人文科学専攻社会学コース
日経リサーチ
18号 情報収集と分析・立案活動の活きた実践 社会調査士 立命館大学産業社会学部 日立ドキュメントソリューションズ
17号 一人ひとりの声を「世論」に 専門社会調査士 上智大学外国語学部
ポルトガル語学科
日本リサーチセンター
17号 行政職に求められる視点 社会調査士 東北大学教育学部
教育科学学科
新宿区役所
16号 よりよい社会をつくるための社会調査 社会調査士 京都大学大学院
農学研究科
パシフィック コンサルタンツ
16号 ITプロジェクトで活きる社会調査の手法 専門社会調査士 奈良女子大学大学院
人間文化研究科
エル・ティー・エス
15号 準備過程の充実を図る 社会調査士 関西大学総合情報学部
総合情報学科
高槻市役所
15号 社会調査と「今」の私 -仕事と就職活動を振り返って 専門社会調査士 九州大学大学院
人間環境学府
ケンコーコム
14号 よりよい教育施策の実現のために 社会調査士 東京大学教育学部
総合教育科学科
文部科学省
14号 CAPIが導く社会調査の新時代 専門社会調査士 大阪大学大学院
人間科学研究科
エムエスハッカーズ
13号 社会調査から営業マンへ 社会調査士 桃山学院大学社会学部
社会学科
金沢ケーブルテレビ ネット
13号 行政と社会調査 専門社会調査士 関西学院大学大学院
社会学研究科
大阪府庁
12号 課題探しを繰り返す 社会調査士 東京都立大学人文学部
社会学科
練馬区役所
12号 「調査への情熱」を伝えたい 専門社会調査士 首都大学東京大学院
社会科学研究科
中央調査社
11号 この国に必要な教育施策のあり方を
考えるために
社会調査士 東京大学教育学部
総合教育学科
文部科学省
11号 調査を使って社会や組織を動かす 専門社会調査士 大阪大学大学院
人間科学研究科
大阪経済大学
10号 “社会調査的視点”を胸に
-社会調査士から得たもの
社会調査士 立命館大学
産業社会学部
立命館大学
10号 児童福祉の現場と社会調査士の力 専門社会調査士 立命館大学大学院
社会学研究科
迦陵園
9号 学生時代にじっくり調査に取り組むことで学んだ
データとの向き合い方
社会調査士 東京大学大学院
教育学研究科
ベネッセコーポレーション
9号 パネル調査の実施に携わって 専門社会調査士 早稲田大学
政治経済学部政治学科
中央調査社
8号 初心を忘れず 社会調査士 信州大学人文学部
社会学専攻
箕輪町役場
8号 インターネット調査と
リサーチ・リテラシー
専門社会調査士 信州大学大学院
人文科学研究科
信州大学
7号 社会調査士資格のための学びを 実務に生かす 社会調査士 中京大学社会学部 北陸銀行
7号 社会調査と心理学的「調査」 専門社会調査士 東京教育大学大学院 中京大学
6号 社会とかかわる魅力 社会調査士 東北大学文学部
社会学専攻
岩手日報社
6号 アンケートでもとって 専門社会調査士 岐阜大学大学院 静岡大学
5号 データの大切さ 社会調査士 九州大学文学部 日経リサーチ
5号 社会調査と社会福祉(学) 専門社会調査士 九州大学大学院
人間環境学府
長崎国際大学
4号 異なる分野でも生かせる社会調査の経験 社会調査士 大阪大学大学院
人間科学研究科
西日本高速道路
4号 仕事の「現場」を伝えたい!
-フィールドワーカーの視点に学ぶ-
専門社会調査士 大阪大学大学院
人間科学研究科
西日本旅客鉄道
3号 広告も、社会調査も、仮説が大事でした 社会調査士 成蹊大学文学部
現代社会学科
博報堂
3号 イチローも気にする視聴率というもの 専門社会調査士 東京女子大学大学院
現代文化研究科
ビデオリサーチ
2号 人や組織の意思決定に
役立つ情報を提供する仕事
社会調査士 千葉大学文学部
行動科学科
インテージ
2号 質的調査のフィールド&ワールド 専門社会調査士 東京都立大学大学院
社会科学研究科
武蔵大学
創刊号 雑誌づくりに生かす社会調査「力」 社会調査士 日本大学文理学部
社会学科
芸文社
創刊号 高等学校での調査教育の実践 専門社会調査士 関西学院大学大学院
社会学研究科
瀧川学園