協会の概要と設立の趣旨

社会調査協会は、日本における社会調査の質の向上と社会的信頼の確立をめざして活動しています。本協会は、2003年に発足した社会調査士資格認定機構の事業を継承・発展させる形で、2008年に一般社団法人として設立されました。

前身である社会調査士資格認定機構は、主として日本の大学等における社会調査教育の水準を高め、もって社会調査に関する優れた能力を備えた人材を育成することをめざして、日本教育社会学会、日本行動計量学会、日本社会学会の連携協力のもとに任意団体として創立されました。

社会調査士資格は、主として学部生のための「社会調査士」と大学院生および研究者や実務家のための「専門社会調査士」という2つの資格からなっています。

「社会調査士」資格は、大学の学部課程において社会調査に関する基本的知識を学習し、調査企画から報告書作成までの実践的過程の技能を身につけることによって、社会的データの収集や分析に関する理解と活用を可能とする統計マインドを身につけた人材の育成を目的としています。

「専門社会調査士」資格は、大学院の課程において、大学等の学術的研究機関のほか社会調査を研究や実務の方法とするマスコミや民間の調査研究機関あるいは政府・自治体などにおいて、より専門的に社会調査に基づくデータ分析や研究に携わる研究者および実務家を養成することを目的としています。なお、専門社会調査士資格に関しては、すでに大学院を修了して社会調査にかかわる学術研究者あるいは実務的専門家としての優れた経歴と活動実績のある人も取得できるようになっています。

当初の社会調査士資格認定機構はこれら2つの資格認定事業を中心に活動していましたが、その後事業規模の拡大にともない、機関誌『社会と調査』の発行など現代社会における社会調査全般の質の向上をめざす多様な活動を展開するため、2008年に一般社団法人社会調査協会へと組織替えを行いました。

今日、本協会の事業は、「社会調査士」および「専門社会調査士」の資格認定のほか、機関誌『社会と調査』の発行、社会調査の方法に関わる講習会・セミナーの実施、各種講演会・シンポジウム・研究会の開催、社会調査教育における実習への助成、『社会調査事典』の編集、社会調査に関わる優れた研究等に対する表彰、その他の啓蒙活動など、きわめて多岐にわたっています。