活躍する社会調査士
現役社会人として活躍する先輩からのメッセージです

福田洋平(社会調査士)
2012年3月、立命館大学産業社会学部 卒業
株式会社日立ドキュメントソリューションズ勤務

※所属は『社会と調査』掲載時のものです。

情報収集と分析・立案活動の活きた実践

コミュニケーション支援事業・オフィスワーク支援事業・モノづくり支援事業・IT支援事業、幅広い4つの事業ドメインを軸とする企業で私は営業職として日々お客様と向き合い活動してる。

短期間で市場トレンドが変化してしまうビジネス環境のため、常に鋭敏な感度(情報収集)と思考(分析・立案活動)を持ち続けることが重要である。

社会調査士課程は、これら情報収集と分析・立案活動の力を身につけるに十分な実践であった。

具体的には、仮説設定、質問作成と展開、回答の収集、データ整理・まとめ、分析までの一通りのプロセスを経験できた他、「検証すべき仮説をいかに立てるか、その検証のためにどのようなデータを収集すればよいか」「得られたデータが何を示しているか」を考える基礎的な力を身につけることが出来た。

では、日常の業務において、こういった「力」がどのように役立っているのか。先ほど述べた4つの事業ドメインの中で私は主にオフィスワーク支援事業を担当している。

具体的には、オフィスの移転取りまとめやオフィス環境の改革、ペーパーレス化、仕事の効率向上という視点から顧客の業務環境の抜本的改革を図るような企画提案が中心の仕事である。

業務を行っていくうえで、私は情報収集を大事にしている。情報収集には、「新聞などから自分自身の感覚で収集する」「顧客・仕事仲間との日常会話を含むやりとりから情報を収集する」「展示会などで世の中の動向を探る」といった活動が挙げられる。「景気はどうですか」といった普段の会話も立派な情報収集活動である。また、新聞、雑誌、Webなどから景気、市場動向の雰囲気をつかむことも大事にしている。

しかし、これだけでは市場の大きな流れ、トレンドを把握しているだけで、実際にビジネスを発展させていくには不十分である。どういった分野に悩みがあるのか、自社の力をどういった方向に集中させるのか、といった自社の強みと顧客の課題から成長を促進する「戦略」を立案するためには、「拡大余地がどこにあるのか」を見つけ出すための、より深い視点も必要になる。求められているのは、変化している世の中の情勢を知り、的確な戦略を練り、実行することである。このような部分で社会調査の基礎的な考えが活きている。

こうした基礎的な考えを忘れず、今後はより深い分析が出来るように日々取り組んでいくとともに、当社のコミュニケーション支援事業などの分野においても業務の幅を拡げ、上述の考えのもと、問題の本質を見抜き、解決策を提示できるような働きをしていきたい。

今後、社会調査士の価値が世間に認知され、多くの人が積極的に学べるようになっていけばと思う。
(※『社会と調査』18号(2017年3月)より転載)

  • 2018年10月15日UP