「知識創出手法としての社会調査を学ぶ」佐藤昭宏

2017年秋に開講された社団法人社会調査協会主催の「アドバンスド社会調査セミナー」を受講しました。参加の目的は、日々、研究開発という機能を通じて社会と事業の課題解決に取り組む中で、新しい知見創出のために必要な理論やデータ取得の在り方、データ分析に使用する推論技法を学びたいと感じたからです。4日間のプログラムは単に理論や手法に関する知識をインプットするだけでなく、実際に分析ソフトを動かし、アウトプットしながら学ぶ機会が確保されており、大変満足度の高いものでした。プログラムの内容も非常に充実しておりロジスティック回帰分析、マルチレベル分析等のいわゆる量的分析に加え、量的分析と質的分析の中間的な手法としての定性的比較分析(QCA)や質的データの量的分析(テキスト解析)、世論調査、インタビュー調査等の分析手法など非常に幅広い内容が網羅されていました。

とりわけ定性的比較分析(QCA)のような、ある一定数の事例について最大限可能な比較を行いそこから論理的に因果推論を行う手法は、これまで学んだことがなく、教育的介入と学生の態度変容の複数の因果経路を検討する上で有効な方法であり、説明変数の設定の仕方、必要条件や十分条件、変数間の相互作用の検討の手続きに関するレクチャーは大変貴重な学びとなりました。またインタビュー調査についても質問項目の設定やインタビュー手法だけでなく、インタビュー後のデータ化の部分で、気になっていたトランスクリプトのルールや記号表記の仕方等の不明点について改めて確認することができ、知識として抜け落ちていた部分を補完する機会にもなりました。

今後は、本アドバンスドセミナーで得た知識とスキルを活かしながら、社会と事業、研究の3つの領域に対して、専門社会調査士としてどのような貢献ができるかその接点を考えていきたいと思います。そして、今後貢献できる接点や領域を拡げるべく、さらなるスキルアップに取り組んでいきたいと思います。

ベネッセ教育総合研究所 主任研究員
受講年度:2017年度アドバンスド社会調査セミナー