社会調査の最前線を学ぶ「アドバンスド社会調査セミナー」 實方裕真

私が、社団法人社会調査協会主催の「アドバンスド社会調査セミナー」を受講したのは、2015年の夏でした。専門社会調査士認定規則の8条規定により、専門社会調査士の資格を取得することを目的として、本セミナーに参加しました。全4日間のプログラムで、講師陣には、大学研究者の方々に加え、マスメディアや民間の調査機関に所属する方々も含まれており、学術と実務の境界領域にあるセミナーであると感じました。民間の調査・コンサルティング業界に身を置き、業務の一環で社会調査にも従事する自分にとって、大変興味深いプログラムでした。

プログラムの内容としては、ロジスティック回帰分析、マルチレベル分析、テキストマイニング等の量的な分析、また、エスノグラフィー、エスノメソドロジー、その他各種のインタビュー調査による質的な分析など、幅広い分析手法が網羅されていました。振り返って考えてみると、EBPM(Evidence Based Policy Making)、データ駆動型マネジメントといわれる昨今の社会政策動向に対応するための、統計学や社会調査の基礎的な分析手法について、改めて学ぶことができました。研究者や実務家の諸先輩方から直接的に統計学や社会調査法を学ぶことのできる大変貴重な機会となりました。

特に統計学は、数学的な分布(Distribution)などの性質に基づくモデルへのあてはめ(Fitting)によって、実際に起こる自然現象や社会現象をシミュレート(統計モデリング)し、出来る限り客観的に、再現力を担保した形で把握するための方法論と理解しています。講義では、例えば、回帰分析における誤差を分布により表現するモデリングを通じて、事象を確率論的に把握する方法など、多くことを学ばせて頂きました。

筆者は専門社会調査士となった現在も、調査・コンサルティングの現場で、クライアントからの要望と、自らが使える分析リソース(分析ノウハウ、使用データ、コスト等)とのギャップの間で、日々格闘しています。本セミナーで学んだ内容を振り返りつつ、更なるスキルアップを目指したいと考えています。

實方裕真 NTTデータ経営研究所
受講年度:2015年度アドバンスド社会調査セミナー、2014年度S1科目講習会、2014年度S2科目講習会